半導体レーザー
レーザー医療は、侵襲が少なくQOL(生活の質)を維持できる体にやさしい治療手段として、
近年注目を集めるようになり多くの人医療や動物医療で導入され始めています。
当院では、最新の半導体レーザーを用いて、下記のような治療に対応出来るようになりました。
新世代半導体レーザーによる治療
1.疼痛緩和
患部にレーザーを当てることで、痛みを緩和することができます。
適応例)椎間板ヘルニア、腰痛、慢性関節痛、猫の口内炎など
2.創傷治癒
血管拡張、血流増加により、組織修復や創傷治癒が促進されます。外傷や術後の治癒促進に用いられます。
3.麻酔を使わないイボの蒸散
体表の小さなイボを、無麻酔で取り除くことができます。
良性腫瘍の治療や、麻酔リスクの高い高齢動物での負担を軽くすることができます。
4.緑内障治療(毛様体光凝固術)
緑内障は眼房水の循環が悪くなり眼圧が上昇することで、強い痛みを伴い失明に至る病気です。早期にレーザーを毛様体に照射することで、眼房水の産生が抑制されることで眼圧を下げることができます。
5.歯周病治療
歯周病は進行すると細菌が異常増殖し、歯が抜けてしまうだけでなく、顎の骨が溶けてしまうこともあります。
従来の歯周病治療である、歯石除去とポリッシングに加え、歯周病菌の殺菌や歯肉を引きしめることで、より効果的な治療ができます。
6.逆まつげの脱毛
レーザーを毛根部に照射することで、脱毛します。複数回の治療で永久脱毛が期待できます。
7.腫瘍(がん)の治療
・マイルドレーザーサーミア
胸腔内や腹腔内の手術適応外の腫瘍などで使用します。
レーザーを体内に照射し約40℃に温めることで、少しでも腫瘍の進行を遅らせることが目的です。特に食欲の改善、咳の鎮静などに効果的です。
・広拡散プローブを使った凝固治療
外科手術が困難な体表腫瘍や口腔内腫瘍に使用します。腫瘍組織を凝固し、壊死、脱落させることで腫瘍を縮小させます。
基本的に全身麻酔が必要ですが、腫瘍の大きさや部位によっては無麻酔や局所麻酔での治療が可能な場合もあります。
・ICG修飾リポソームを併用したがん治療
胸腔内や腹腔内、鼻腔内などの手術適応外の腫瘍などで使用します。
レーザーを吸収しやすいICG(インドシアニングリーン)を腫瘍組織に蓄積しやすいリポソームと結合させ、血管内に投与します。定期的に体外からレーザー照射することで、腫瘍の進行を抑制し、延命やQOL上昇が期待できます。